こんにちは、さくらです。
先日Twitterで「開業届を出しました」と投稿したところこんな質問をもらいました。
さくらさんは以前からフリーランスとして仕事をされていたと思いますが、開業届けを出したということは個人事業主になったのですか?
そもそもフリーランスと個人事業主の違いは?フリーランスって具体的にどんな仕事?資格は必要?など実はあまり知られていないフリーランスの実態。管理人は30代に未経験でWeb業界に入ってから、流れでフリーランスになりました。その時に、開業届を出すことを知らずそのまま仕事をしていたので、確定申告の度に数十万円の損をしていた恥ずかしい経験の持ち主です(笑)
・フリーランスとは?
・ウェブデザイナーやディレクターのフリーランスになるには?
・フリーランスと個人事業主の違い
・フリーランスになるうえで気をつける税金や社会保障など
将来ウェブデザイナーやディレクターをフリーランスとしてやっていきたいと思っている方には、夢と現実を知る機会になればうれしいです。
フリーランスになるには
フリーランスとは?
フリーランスとは特定の企業や団体、組織に専従しておらず、自らの技能を提供することにより社会的に独立した個人事業主である。日本では法令上の用語ではないが、自由業または自由職業とも呼ばれる。この形態により請け負った業務を遂行する人をフリーランサーまたはフリーエージェントと呼ぶ。(ウィキペディアから引用)
簡単に言うと、会社にしばられずに自由に働いている人のことを言います。パートやアルバイトの人は会社と雇用関係だからフリーランスとは呼ばないのです。
フリーランスになるには?
これは実は簡単です。自分がなろうと思った日からフリーランスです。
ですので、ウェブデザインの勉強を始めてすぐ「私はフリーランスです!」と名乗った日からあなたはフリーランです。会社員でもフリーランスになれます。副業として会社を抜きに仕事をすればその仕事はフリーランスとしてのお仕事です。
ただし、継続的に仕事を受注するには技能がないと難しいのです。フリーランスは誰でもなれますが、それで稼ぎ続けるのは難しい。だからフリーランスになるならしっかり技能を身につけましょう。ウェブデザイナーやウェブディレクターがフリーランスになるのに必要な資格はありません。
ちなみに、フリーランスとして起業し、10年仕事を続けられるの確率は一説では数パーセントと言われています。
下記は日本の開業・廃業の国際比較の表です。これを見ると日本は起業が少なく開業・廃業率が同率水準なので、現状のきびしさがわかりますね。
2017年中小企業庁発表の中小企業白書の全文はこちらから
個人事業主とは?
「個人事業主」もよく聞きますね。フリーランスと同じように使われる名称ですが違いは何でしょう。
個人事業主とは、株式会社等の法人を設立せずに個人で独立して事業を行っている人をいいます。事業主一人のみ、家族のみ、あるいは少数の従業員がいる小規模経営が一般的。規模に制限はないそうです。ブログでのアフィリエイト収入やオークションサイト等を利用した収入でも継続的・反復的に商売を行えば、個人事業主となるのです。
ですので、「フリーランス」と「個人事業主」はほぼ同じ意味だと思って問題ないです。IT業界では「フリーランス」という言い方が一般的です。
フリーランスになるならこれを知らないと損をする4つのこと
1.開業届をだす
フリーランスになるなら開業届をだしましょう。
誰でもなれるフリーランスですが、開業届を出すと税制上のメリットを受けられます。
逆にださないと、損をする可能性も!
開業届を出すメリット
②「事業所得」は、給与所得との「損益通算」が可能。私のように二足のわらじを履く人や副業として始めたい人にはとてもうれしい制度。万が一、事業で赤字が出た場合は、所得税などが抑えられます。
③家族への給与を全額「経費」にできる(青色申請者)
④赤字を「3年繰り越し」できる(青色申請者)
⑤「屋号の銀行口座」を開設できる
⑥小規模企業共済に入れる
開業届を出さない売り上げは雑種得として処理されるのよ。でも、雑所得になると何が損なのか?
収入から必要経費を引いて計算できる点では同じです。事業所得は、給与所得を合せて損益計算できるから、副業で赤字が出た場合は、所得税などの税負担を抑えられるのです。私は開業届をずっと出していなかったので、控除が受けられず損をしていました。
開業届はオンラインで簡単に出せるサービスが充実しています。
私はfreeeを利用し開業届を出しました。無料なのに超簡単!絶対に使った方が効率がいいですよ。
2.確定申告
フリーランスの売上は確定申告をする必要があります。1.に書いたように開業届と一緒に「青色申告承認申請書」を出し、青色申告をすればかなり控除があるのでお得です。その代わりに、青色申告をする場合は複写式簿記が必須です。
簿記とか難しすぎて無理ゲー
と思いますよね。でも大丈夫、これも今はアプリを使えば簡単。
私は来年の確定申告で初の青色申告をします。今下記のどちらを使うか迷っています。
・freee開業
・クラウド会計ソフト「弥生会計 オンライン」
3.消費税は免除?課税?
個人事業主は開業してからの年数や売上によって、消費税を免除されるか、納税しなければいけない事業者か決まります。売上が1,000万円未満、もしくは開業後2年以内であれば消費税が免除されます。実はフリーランスで仕事を受ける場合、消費税を取っていない方が多いのです。
ただ、2023年10月に実施予定のインボイス制度により、課税売上高1,000万円未満のフリーランスも消費税を支払う必要が出てきました。これは今後、フリーランスにとっては大きな問題になりそうです。
インボイス制度=適格請求書等保存方式です。適格請求書とは、消費税を納めている課税事業者のみが発行できる請求書のことをいいます。インボイス制度では、取引相手から事業者登録番号が明記された適格請求書が求められます。それがないと、取引相手は消費税の納税額から仕入れや外注費にかかった消費税を差し引くことができなくなるのです。
4.健康保険や年金に加入する
会社員なら会社の健康保険や厚生年金などに加入できますが、フリーランスは自分で加入しないといけません。フリーランスが入れる保険や年金は
・国民健康保険組合(国保組合)
国保組合は同種同業者のための保険組合。
ウェブ制作関連だと文芸美術国民健康保険組合があります。これ以外は国民健康保険、または元居た会社の健康保険の継続加入(辞めてから2年)などの選択肢もあります。
・国民年金
年金はベースの年金は国民年金。これ以外にIDECOなどの加入も可能です。
開業届を出すデメリット
失業手当の対象外になる
雇用保険に加入していた人が会社を辞めて失業者になると、失業手当を受給することができます。私ももらいましたが大変ありがたい制度です。この手当は開業届を出すともらえなくなりますのでご注意ください。
個人事業主には103万円の壁はない
103万円の壁というのは、給与所得者だけに該当するケースです。個人事業主の配偶者控除は合計所得が48万円以下の場合に適用となる。
職業によっては「個人事業税」がかかる
職業によっては「個人事業税」がかかるので、事前の確認が必要となります。事業所得がかかる職業のことを「法定業種」と言います。個人事業税がかかるのは所得が控除額である年間290万円を超えた場合のみです。
個人事業税は都道府県に納める地方税のため、不明点はそれぞれ所在地に問い合わせてみましょう。
法定業種に含まれていない場合、事業所得が290万円を超えても個人事業税がかかりません。
法定業種は70種類ありますが、第一~第三区分まで分かれており、それぞれ区分ごとに税率が異なります。
まとめ
フリーランスとは特定の企業や団体、組織に専従しておらず、自らの技能を提供することにより社会的に独立した個人事業主のことを言う。
フリーランスになるには自分が思った日からなれるし、特に資格は必要がない。でも継続するには技能を磨いていく必要がある。
フリーランスと似た言葉の個人事業主。ほぼ同じ意味で使われている。
フリーランスになるのに知っておくことは
1.開業届を出す
開業届(青色申告申請)を出すことで税制上のメリットが受けられる。
2.確定申告が必要
青色申告をすることで控除などが受けられる
3.消費税は免税と課税業者がある
4.健康保険や年金に自分で加入する
フリーランスは自由に仕事ができてうらやましがられますが、実際はかなりシビアな世界です。すべてを自分で稼がないといけないので、自由な分プレッシャーも多いです。
さくらは今フリーランスと会社員(アルバイト)の二刀流で仕事をしています。このやり方は収入の安定にはとてもよいです。いきなりフリーになる方が多いようですが、あまりおすすめできません。まずは会社員とフリーまたは副業の二刀流でやってみて手ごたえを掴んで新しい展開を考えるのが危なくない方法です。